居酒屋などでもメニューに揃えられることが多いジン。
スーパーでもジンソーダを缶にしたものが販売され、手軽に飲めることからブームと言えるほど人気を博し、今では定番となりつつあります。
そんな中、クラフトジンも脚光を浴びてくるようになりました。
クラフトジンは普通のジンと何が違うのか?そして、どの銘柄が人気なのかについて解説していきます。
目次
クラフトジンとは?

ジンは、ヨーロッパを中心に長い歴史を持つスピリッツで世界4大スピリッツの1つで、爽やかな味わいと数多くの香り高いボタニカルを使って作られる蒸留酒です。
蒸留酒は糖質制限中でも楽しめるお酒なので女性人気が非常に高いお酒です。
ジンを使ったカクテルは特にジントニックやマティーニなどが有名ではないでしょうか。
ジンの人気はその自由度とカクテルへの適用力にあります。
ボタニカルは日本語で植物を意味しますが、ジンでいうとハーブやスパイス、果物の皮などが含まれます。
そのボタニカルを数種類組み合わせることでジンの風味を作り出しています。
クラフトジンは大量生産される一般的なジンとは異なり、小規模な蒸留所で丁寧に製造される独自性の高いジンを指します。
多くのクラフトジンは地域に根差したボタニカルを使用することが多く、蒸留所ごとの独自の考えを反映して出来ています。
その結果、香りや味わいが一般的なジンにはない個性を持つようになり、新たなブームとなっています。
クラフトジンと普通のジンの違いとは?
普通のジンとクラフトジンの主な違いは3つあります。
1つ目は、製造工程です。
一般的なジンは大量生産を前提とし、自動化された設備で一貫した品質を実現しています。
これに対してクラフトジンは、小規模な蒸留所で手作業を交えつつ、個々の製品に細かな注意を払いながら生産されます。そのため、製造者の独自の技術や製法が直接製品に反映されるのが特徴です。

2つ目の違いは使用される材料にあります。
一般的なジンはより広く入手可能なボタニカルを用いることが多く、それにより味の均一性が保たれます。
一方、クラフトジンは地域特有のハーブや果物、希少なスパイスを利用することが多く、それによって他では味わえないオリジナルな味や香りが生まれます。

そして最後は生産量の違いです。
クラフトジンは少量生産が一般的です。
ジンの製造にはジュニパーベリーをはじめとする多くのボタニカルが必要で、精密な蒸留工程を経て製品化されます。
そして、品質管理も少人数で行われることが多く、徹底的に管理をしなければなりません。
先ほどのように地域に根差す素材を使用する場合、ボタニカルを大量に用意できないこともあり、希少価値が高くなります。

次は、これらがどのように国産クラフトジンに具体的に反映されているのかを掘り下げていきます。
国産クラフトジンの特徴とは?
日本においてクラフトジンは比較的に新しい市場ではありますが、近年急速に人気が高まってきています。
その魅力の一つに、使用される地元産ボタニカルがあります。
例えば、長野県ではリンゴや山椒、鹿児島県では桜島小みかん(黄金柑)、静岡県では緑茶の葉を使用するなど、各都道府県の特色を活かしたボタニカルがジンの製造に用いられています。
地域固有の素材は、他のスピリッツにはない独特の香りや味わいをジンにもたらし、各地のジンは地元の自然や文化を感じさせる独自の風味を持つようになります。
関東の人気クラフトジン
関東地方の蒸留所から発売されているクラフトジンを紹介いたします。
関東地方からは「TOKYO HACHIO GIN」、「COMMON」、「REVIVE from NINJA」の3つラインナップしました。
どれも東京にある蒸留所のクラフトジンで、都内のクラフトジンを扱っているバーでも人気のジンとなっています。
トーキョーハチオウジン CLASSIC / 八王子蒸溜所
トーキョーハチオウジン CLASSICは、東京都八王子市にある八王子蒸溜所が生み出す、地元の恵みを活かしたクラフトジンです。
このジンは、厳選されたボタニカルを使用し、地元の清らかな水と組み合わせて蒸留されています。
特に、八王子産の柑橘類やハーブが織り成す独特の香りと味わいが特徴で、ジンの深みと複雑さを引き立てています。
八王子蒸溜所自体も、地域の自然環境を活かした製法と、長年培われた蒸留技術が評価されています。
トーキョーハチオウジン CLASSICのおすすめの飲み方
トーキョーハチオウジン CLASSICは、そのままストレートで楽しむのがおすすめです。
また、トニックウォーターを加えたジントニックとしても美味しくいただけます。
柑橘類のスライスを添えると、香りが一層引き立ちます。
トーキョーハチオウジン CLASSICに合う料理
このジンは、魚介類や野菜を使った料理と相性が良いです。
特に、レモンやライムを添えた魚料理や、ハーブをふんだんに使ったサラダなどと一緒に楽しむと、ジンの香りと味わいが一層引き立ちます。
魚介のカルパッチョ
レモンやライムを添えた魚介のカルパッチョは、ジンの柑橘系の香りと相性が良いです。
ハーブサラダ
フレッシュなハーブをふんだんに使ったサラダは、ジンのハーブの香りを引き立てます。
シーフードパエリア
海の幸が詰まったシーフードパエリアも、ジンとマッチングします。
COMMON / 虎ノ門蒸留所
COMMONは、東京都港区にある虎ノ門蒸留所が生み出す、都会の真ん中で生まれたクラフトジンです。このジンは、都会の喧騒を忘れさせるような、洗練された味わいが特徴です。
虎ノ門蒸留所では、都市の中心でありながらも、自然と調和した製法を追求しています。
その結果、COMMONは、都会的な洗練さと、自然の豊かさを併せ持つ、ユニークなジンに仕上がっています。
COMMONのおすすめの飲み方
COMMONは、そのままストレートで楽しむのがおすすめです。また、トニックウォーターを加えたジントニックとしても美味しくいただけます。さらに、ライムのスライスを添えると、ジンの香りが一層引き立ちます。
COMMONに合う料理
このジンは、肉料理やスパイシーな料理と相性が良いです。特に、以下のような料理と一緒に楽しむと良いでしょう。
ビーフステーキ
ジューシーなビーフステーキは、COMMONの洗練された味わいと相性が良いです。
辛味チキン
スパイシーな辛味チキンと一緒に楽しむと、ジンの味わいが一層引き立ちます。
チリコンカルネ
スパイスが効いたチリコンカルネも、ジンとのマッチングがおすすめです。
REVIVE from NINJA / 東京リバーサイド蒸留所
REVIVE from NINJAは、東京都江東区にある東京リバーサイド蒸留所で製造されたクラフトジンです。
このジンは、風味豊かなスダチと茗荷の爽やかな香りが特徴で、口に含むと煎茶や古木茶のゆったりとした苦味が広がり、カモミール、ジュニパーベリーの余韻が続きます。
また、滋賀県甲賀市に構える酒蔵<瀬古酒造>の日本酒『忍者』を原酒に使用し、一般的に廃棄される茶の木の幹を使用した古木茶と、上質な煎茶をメインボタニカルとして使用しています。
東京リバーサイド蒸留所は、世界初の再生型蒸溜所として知られ、飲み頃を過ぎてしまった日本酒を再生させたジンとして、サスティナビリティ(持続可能性)を重視した製法が評価されています。
REVIVE from NINJAの口コミ・レビュー
お茶と茗荷がとてもよく香る爽やかなジンで、食中酒として楽しむのおすすめ!
ボトルデザインが素敵でプレゼントにもおすすめ!
REVIVE from NINJAのおすすめの飲み方
ロック
常温のジンに、大きな氷を一つ加える
ジンソーダ
ジンとソーダを1:4の比率で混ぜ合わせ、さらにレモンをトッピングとして加える
ジントニック
ジンとトニックを1:3~4の割合で混ぜ、きゅうりとガムシロップを加えて水割りにする
REVIVE from NINJAに合う料理
刺身
新鮮な魚の刺身と一緒に楽しむと、ジンの爽やかな香りが一層引き立ちます。
焼き魚
塩焼きや照り焼きなどの焼き魚とも相性が良いです。焼き魚の旨味とジンの香りが絶妙にマッチします。
天ぷら
野菜や海鮮の天ぷらもおすすめです。サクッと揚げた天ぷらとジンの組み合わせを、一度試してみてください。
関西の人気クラフトジン
橘花ジン / 大和蒸留所
橘花ジンは、奈良に古くから伝わる大和橘と大和当帰を使用した、大和蒸溜所を代表するジンです。
なめらかな口あたりのライススピリッツに、ふくよかな大和橘の香りと大和当帰の爽やかでみずみずしい風味を、独自の配合・蒸溜で纏わせています。
最小限のボタニカルから華やかさと深みを引き出した、奈良らしい味わいが特徴です。
橘花ジンのおすすめの飲み方
ジントニック
橘花ジン40mlにビターなトニックウォーター200mlを混ぜ合わせ、最後にライムを軽く絞って入れます。
ジンソニック


橘花ジン40mlにトニックウォーターで溶いた緑茶粉末40mlとソーダ40mlで混ぜ合わせます。
橘花ジンに合う料理
橘花ジンは、奈良に古くから伝わる大和橘と大和当帰を使用しており、和食との相性が良いです。
特に、以下のような料理と一緒に味わうのがおすすめです。
豆腐料理
豆腐の優しい味わいと、橘花ジンの爽やかな香りが絶妙にマッチします。
湯豆腐や冷奴など、シンプルな豆腐料理と一緒に楽しむと良いでしょう。
鶏肉の照り焼き
鶏肉の旨味と照り焼きの甘さが、橘花ジンの柑橘系のフレーバーを引き立てます。
鶏肉の照り焼きと一緒に味わうと、一層ジンの風味を楽しむことができます。
野菜の天ぷら
野菜の天ぷらは、ジンの爽やかな香りと相性が良いです。
特に、季節の野菜を使用した天ぷらと一緒に味わうと、季節感を楽しむことができます。
季の美 / 京都蒸留所
季の美は、京都で初めてスピリッツの製造免許を取得した「京都蒸留所」が造るスーパープレミアムクラフトジンです。
柚子や檜、山椒など、日本のボタニカルをふんだんに使い和の情緒あふれる味わいに仕上げました。
また、ベースとなるスピリッツには、お米からくるライススピリッツを使用しています。
季の美のおすすめの飲み方
ジントニック
季の美30mlにビターなトニックウォーターを適量混ぜ合わせ、最後にライムを軽く絞って入れます11。
お湯割り
季の美30mlを90℃前後のお湯で割ります。お湯割りは、特に冬の季節におすすめです。
オンザロック
季の美30mlを氷と一緒にグラスに注ぎます。大きくて丸い氷を使うとより美味しく作れます。
季の美に合う料理
季の美に合う料理 季の美は、日本のボタニカルをふんだんに使っているため、和食との相性が良いと考えられます。
特に、以下のような料理と一緒に味わうのがおすすめです。
鴨肉の料理
鴨肉の深い味わいと、季の美の爽やかな香りが絶妙にマッチします。鴨肉の照り焼きや鴨肉のすき焼きなど、鴨肉を主成分とした料理と一緒に味わうと良いでしょう。
揚げ出し豆腐
揚げ出し豆腐の優しい味わいと、季の美の爽やかな香りが絶妙にマッチします。揚げ出し豆腐と一緒に楽しむと、一層ジンの風味を楽しむことができます。
焼きナス
焼きナスの旨味と季の美の柑橘系のフレーバーが良く合います。焼きナスの甘みとジンの香りが絶妙にマッチします。
東経135度 兵庫ドライジン / 海峡蒸溜所
東経135度 兵庫ドライジンは、兵庫県明石市にある「海峡蒸溜所」で製造され、世界21か国で親しまれているジャパニーズクラフトジンです。
ブランド名は、日本の標準時の基準となる東経135度子午線が通る明石市が「時のまち」と呼ばれることにちなんで命名されました。
このジンは、重厚感あふれるロンドンジンをベースに、五種類のジャパニーズボタニカルを合わせた新しいジャパニーズクラフトジンです。
東経135度 兵庫ドライジンのおすすめの飲み方
ジントニック
東経135度 兵庫ドライジン 40mlとビターなトニックウォーター 80mlを混ぜ合わせ、最後に柚子ピールをトッピングします。
子午線オリジナルカクテル
東経135度 兵庫ドライジン 30ml、明石鯛吟醸梅酒白梅 10ml、ハイビスカスのシロップ 10ml、新鮮なライムジュース 1.5ml、卵白またはアクアファバ 10mlをシェイカーへ材料を入れて振った後、乾燥したハイビスカスを飾ります。
東経135度 兵庫ドライジンに合う料理
東北の人気クラフトジン
欅 -KEYAKI- / ミヤギクラフトジン
欅 -KEYAKI-は、宮城県大崎市にある「ミヤギクラフトジン」が製造したクラフトジンです。
このジンは、地元・宮城ならではの素材を生かした香りと味わいが特徴で、ジントニックにした時にその真価を発揮します。
使用されているボタニカルには、宮城県産のゆず果皮、秋保町のブドウ果皮、石巻の桃生茶、名取産のセリなどがあります。
欅 -KEYAKI-のおすすめの飲み方
ジントニック
欅 -KEYAKI-を30mlに対して、トニックウォーターを90ml(1:3)で割るのがおすすめです。
この比率にすることで、欅 -KEYAKI-の香りと味わいが最高点に達するように設計されています。
欅 -KEYAKI-に合う料理
シーフードサラダ
シーフードサラダの新鮮な風味が、欅 -KEYAKI-の爽快さと良く合います。特に、シトラスベースのドレッシングを使用すると、ジンの柑橘系のフレーバーを引き立てます。
グリルチキン
グリルチキンの香ばしさと欅 -KEYAKI-の爽やかな香りが絶妙にマッチします。レモンやハーブで味付けしたグリルチキンと一緒に楽しむと、一層ジンの風味を楽しむことができます。
清庵-SEIAN- / 世嬉の一酒造
「清庵-SEIAN-」は、岩手県一関市にある「世嬉の一酒造」が製造したクラフトジンです。
新型コロナウィルスの影響で手指消毒液が不足した際に、高濃度アルコールを提供するためにビールを蒸留した経験から生まれたクラフトジンです。
ブランド名は一関の偉人「建部清庵」から取られ、その精神を受け継ぎ、地元の素材を活用した酒造りを目指しています。
使用されているボタニカルには、ジュニパーベリー、山椒の実、ひば、クロモジなどがあります。
清庵-SEIAN-のおすすめの飲み方
オンザロック
大きな氷を入れたグラスにジンを加え、マドラーで混ぜて飲むと本来の味を楽しめます。
ジンソーダ
清庵-SEIAN-を30mlに対して、ソーダ90ml(1:3)で割るのがおすすめです。